「_わたしはこうして蕎麦を何百回何千回とつくっていますが、食べ手は一回きりですからね。」
小川さんという 蕎麦職人の、その言葉が心を強く打った。
さらに 焼畑を地元の人人と作り 蕎麦を収穫し 時期に分けて保存し、ブレンドし、
つながるかどおかのぎりぎりの線!
粗く挽いて 95%蕎麦粉5%小麦粉の割合にし
水と混ぜ合わせていく。
丸め、さらに伸ばし切る作業はまさに神業だ。
びっくりしたのはこのことではなくて
店を開け、客にメニュウをだし、 注文をとり 蕎麦を茹で揚げ 運び、会計をし
後片付け、すべて一人でやる。
人が待っているのになぜ人を雇わない、の問いに、こう答えた。
すべて自分でやらないと 伝わりませんから。運ぶのもたいせつな仕事です、そうしないと 人の心を揺さ振れないですから、と。
まいった。
ノックアウトされた。
心を揺さ振れ、鷲掴みにされた気分だ、
ランキングで第一位のこの店は 辺鄙な山の中だというのに
多い日は60人くらいの客が来る。開店前から並ぶ人の列がある。
なんだか店も 旧家を想像させる木の温かみと、実にモダンで洗練された感じが混在。
蕎麦をお味を想像させる。蕎麦は大好物だ。
現在20:20。
テレビ東京で 蕎麦の達人(なんていうと深みがないな、もっといい言葉がないか探している、、)の特番がたった今終わって。
蕎麦にすべてをかけた
小川さんという方に会いたい。
お会いしてお蕎麦をいただきたいし
その蕎麦からその人生や真心を感じたい。
私が感動したのは
「_わたしはこうして蕎麦を何百回何千回とつくっていますが、食べ手は一回きりですからね。」
この言葉は私が つい先日のライブの日に
客として来ていた生徒に『ごめんね、不調だわ!二部にリベンジするから帰らないでね』
と言ったことを思い出させた。
深く 深くその小川さんという方の言葉 思いが胸の中でずっとこだまする・・・。
私もきっと何百回何千回と踊ってきていることだろう。
わたしは自分の中途半端な存在の耐えられない軽さを聡さられた、
わたしと小川さんとの違いは何か。
小川さんは蕎麦を作る里山を守るため。
ぎりぎりの粗さ ぎりぎりのつなぎに毎日挑戦している・燐とした姿形の蕎麦を
私はブラウン管を通した私にも それは半端無いものだとわからせる。
おいしいといわれ、評判になることこそ里山を守ることだと小川さんは語る・・。