春風
春風が怖いのはわたしだけじゃないですよね
部屋中の扉をしっかりしめ、鍵をかけてもどこからともなく風が 地の果てから轟々唸る。
バタバタとドアがいう、
窓を開けると暴れん坊のいたずらん坊が 乱暴に入ってくるので、
何度もびくびくした。
春は怖い。
強く望んでもまだまだ桜は咲かないし、咲いて最高の華美を持ってそこに在るとしても はかない。
耳を澄まして感じるのは 足音、春の、そして、遠い父の記憶_。
春は怖い。
わかっていた。
はじめから、春がどおしても来ることは、
そんなのはわかっていましたとも!
地鳴り。
砂と舞う塵埃。
だったら、鳥だったらよかったのに!
- 2012.03.31 Saturday
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- 22:43
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- by コバヤシリカ・プロフィール